Dimensional Sniper

将棋 / 研究 / 青嶋未来

相掛かりの序盤 01

話題が分散しすぎて自分でも何を書いていたのかよく分かっていませんが…。一応「対先手中飛車左美濃」のシリーズはまだ続けていく予定です。最近書いていませんが、角換わりについてもまた書くことがあるでしょう。

 

さて、千田先生は「人間の相掛かりは下手」と仰っているそうで、実際ソフトに検討させていてちょっと付いていけない読み筋が一番多いのが相掛かりだと感じます。

相掛かりは昔からよく指すのですが、最近は見知らぬ構想に慌てることが非常に多いので、浮かむ瀬と一緒に研究していきたいと思います。

 

私は先手で引き飛車の相掛かり棒銀を採用することが多いので、下図が基本図になります。

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飛車先を切らずに▲3八銀~▲5八玉などが流行っている現状、既に「古い」と言われてしまいそうですが…笑

まあさすがに上の局面で評価値が振れるということはないですし、プロの実戦例通り下図のように進む変化は+100~+200ぐらいなので、不優秀という訳ではないのでしょう。

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山崎-村山(B1)、渡辺-小林裕(C1)、山崎-松尾(B1)など。▲5六銀でなく▲3六銀と引いた例もあったと思います。記憶で書いているので間違っていたらごめんなさい。

 

さて、話を戻します。▲3六銀の局面でソフトが示すのは、△3三桂という手です。

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後手としては、銀の進軍を止めて右辺で良くしにいこうという構想。場合によっては△1四歩~△1三角以下ひねり飛車風味に組む順も狙っているようです。

上図以下▲7六歩に、後手としては△7四歩~△7三銀と銀を使ってくる順と、△8六歩と一歩換えて横歩取りを狙う順が有力でどちらも実戦で指されたことがあります。

 

まずは△7四歩、▲7七角、△7三銀。

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以下▲6八銀、△6四銀、▲6六歩で下図に進むのが一例。

この辺り、ぼやぼや▲4六歩や▲5八玉では△6四銀~△7五歩で先手の角が目標になり痺れます。△3三桂で角道が止まっているのが痛いところ。

ただ▲6八銀~▲6六歩を急いで▲6七銀の形を用意しておけば先手悪くないようです。評価値は+100~+200ぐらい。

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局面が落ち着いて駒組みに移行すれば、△3三桂が負担になります。△3三桂と△7三銀の相性はそこまで良くないのかもしれません。

 

よって後手としては△8六歩が良さそう。こちらが浮かむ瀬の第一候補です。

以下▲同歩、△同飛で下図。

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ここは先手の指し手が難しい局面です。後手は△7六飛や△7四歩~△7三桂、△1四歩~△1三角など色々な組み合わせがあるので、ぬるい駒組みではすぐ作戦負けになりそう。

 

続きます。