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将棋 / 研究 / 青嶋未来

角換わり新型同型 04

小林裕-藤井聡(王将)より。

いやはや、藤井聡太先生の活躍には目を見張るものがありますね。小林裕先生、平藤先生といった中堅どころの強豪を角換わりで圧倒した将棋は圧巻でした。

 

新型同型から、▲5六銀に後手が足並みを揃えずに△6五歩と位を取った局面。

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実戦は以下、▲4五桂、△4四銀、▲2四歩、△同歩、▲同飛と進みました。

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以下実戦では△2三歩、▲2九飛、△6四角、▲3七金、△5四銀…と進みましたが、ソフトとの検討に依れば、実は上図で△1三角と打つ手があったようです。

△1三角と打つ手はこれまでにも紹介したことがありますが、この場合は特に条件が良いようで、やねうらelmoでは-450ほどに振れました。

△1三角、▲2九飛、△4六角と進んで下図。

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△6五歩と伸ばしておいた効果で、△6四角と引けるのが大きいです。△6四角の形になれば、一歩手持ちにしているので△8六歩の仕掛けがあります。これは後手ペースの戦い。

 

▲4五桂~▲2四歩が成立しにくいとなれば代わる手が必要になります。▲7九玉~▲6九飛と先日の木村-広瀬の順のように進める順もありそう。先手がどう打開するかという将棋になりそう。

 

また、一見指しにくいですがすぐに▲6六歩もあるようです。浮かむ瀬もやねうらelmoもこの手を示してきますね。

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以下△同歩、▲同銀、△5四銀。

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△5四銀で△8六歩は▲同歩、△同飛の瞬に▲6四歩や▲5五銀があって少し怖い。

△5四銀に▲4五銀なら△6三銀で千日手模様。▲7五歩なら△8六歩、▲同歩、△同飛、▲7七銀、△8四飛など。

先手は将来的に▲6九飛の筋もあるか。ソフトは千日手順を示すことも多い局面です。