Dimensional Sniper

将棋 / 研究 / 青嶋未来

対▲7七飛戦法 02

前回の続きです。

▲6六歩型の変化。

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先手としてはこちらの変化の方が良いようです。評価値は-300~-400ほど(浮かむ瀬)。

以下△3一角、▲9六歩、△7二銀、▲9七角、△8三銀、▲7七桂で下図。

尚、△7二銀では△7二金も有力です。

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▲9六歩のところ▲6七銀では、△7二銀、▲9六歩、△6四銀、▲9七角に△8五飛で7五の地点が受かりません(下図)。

この順も、飛車交換・大駒交換は後手に利があるという判断がある故に成立する手です。△7二銀型が飛車の打ち込みに強い形。

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よって先手は▲7七桂~▲9六歩~▲9七角を急いで二番目の図になります。これなら△6四銀ならすぐに▲6五歩と追い返せる理屈です。

▲7七桂以下、△8四銀、▲6五歩(次の△6四銀を防ぐ)、△9四歩、▲3八玉と進んで下図。

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後手は手を入れる場所も難しいので、△9五歩と仕掛けます。以下▲同歩、△同銀、▲7四歩、△同歩、▲5三角成、△同角、▲9五香、△同香はほとんど一本道か。

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角香と銀銀の交換。▲9六歩には△7五歩で飛車の行き場所が難しい。後手からは△2四香が狙いの一つ。

評価値は-450ほどで後手良し。とはいえ少しのミスで一気に互角に戻る変化も多いので、注意深い指し回しが必要なのは確かです。

 

ざっとまとめると、対▲7七飛戦法のポイントは、飛車先を換えること・△3一角+△6四銀+△8四銀で7五の地点を狙うこと・飛車交換は恐れないこと、の三点でしょうか。

 

以上、評価値や進行を見るとかなり心強い結果となりました。▲7七飛戦法を許さなければ、4→3系統の将棋にされることはもうありません。やりました。笑

 

 

 

さて、私は記事をまとめて書いて予約投稿している場合がほとんどなので、記事を書いている時と更新されるタイミングにはずれがあります。

実は、記事を書いている今現在は、コンピュータ将棋選手権が行われている最中です。大会後にまた強いソフトが公開されるのかな…と期待しつつ、そして普段無料で使わせて頂いている感謝を込めて観戦しているところです。

現状(5/2時点)で公開されているものの中でも、浮かむ瀬よりSilent Majority1.25の方が強いという話もありますね。私から見ればいずれにせよ神の領域ですから、時間を掛けて読ませる分には大差ないと思っていますが、新しいソフトが公開されればそちらも使ってみたいところです。