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将棋 / 研究 / 青嶋未来

角換わり▲4五桂 基本の攻め筋 04

今回は、△4四銀と上がってきた場合の攻め筋を考えてみます。

 

一度書きましたが、基本的には「△4四銀と上がらせれば成功」です。△4四銀に▲2四歩、△同歩、▲同飛、△2三歩(△2二歩という受け方もある)の時、飛車を横に使って暴れられそうなら▲3四飛から一気の攻略、それが難しい場合や先手陣が飛車打ちに弱い場合は▲2九飛から駒組み、でどちらの展開も先手が不満になることは相当少ないからです。

 

まずは飛車を横に使って暴れる例から、私の知っているプロの実戦例をご紹介。

マニアックですが、行方-北浜戦(B1、2007)より。

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ちなみに一手損角換わりに対する▲4五桂は、実は以前から指されていたのではないかと思います。中川-青野(B2、2014)もその例。

さて、上図の形は5三に駒の利きがないので△2二銀とは引けません。以下△4四銀、▲2四歩、△同歩、▲同飛、△2三歩、▲3四飛、△3三桂、▲4四飛、△同歩、▲5三桂成が一直線の進行。

△4四銀では△4二銀もあるのかもしれませんが、同様に進めて△4四歩と桂馬を取れるわけでもないので指しにくいでしょうか。

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浮かぶ瀬の評価値は既に+1000オーバー。以下△5二銀、▲同成桂、△同玉、▲5四銀、△8三飛、▲5六角で攻めを繋ぎました。

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先手は飛車打ちに強いので、攻めが繋がれば自然と先手が優勢になります。

 

今回は先手に条件の良い例でした。