異次元の狙撃手 03
今日はC2の牧野-青嶋より。序盤牧野さんの趣向を凝らした駒組みがあり、紆余曲折の末居飛車穴熊とノマ四の対抗形に。
この局面、居飛車は飛車が使いにくいとはいえ、後手陣はバラバラで金銀が上ずっておりまとめにくく見えるところ。
上図から後手が仕掛け、一気に飛ばして下図へ。
この間に後手は金桂交換の駒得を果たし、居飛車の飛車は未だ幽閉されたまま。しかしやはり薄いのが気になるところ。
ここから以下の手順で一気に厚みを築き上げる。
△7三金打、▲5二歩、△6六歩、▲6八歩、△7四金左、▲5一歩成、△8四金上、▲6一角、△5六銀直、▲3四角成、△5五角。(下図)
金を打ちつけて二枚金を押し上げる手順。△5六銀~△5五角も美しい活用で角のラインが止まりそうにない。金銀のスクラムでがっちり上部を抑えており、後手玉はいかにも手厚く広い形だ。
図以下は、好機で△8六銀とぶち込み、角のラインを活かしてとにかく押しつぶす。一気呵成の寄せ。
戻って、▲3四角成では▲9六桂~▲8四歩などで嫌味をつけておくべきだったようだ。
玉周りの攻防への強さがよく現れている将棋。