異次元の狙撃手 02
叡王戦青嶋-石井健より。
居飛車穴熊とノマ四の対抗形から飛車交換になって下図。現状駒の損得はないが居飛車は香車を拾えない。堅さは居飛車が上だが四枚美濃もなかなか堅い。
居飛車は上手く8六の角を使いたいところ。どういう手順を考えるか…。
ここでじっと▲4六歩が学びたい手。
△同角なら香車が取れる。それで一気に居飛車が良くなる訳ではないだろうが、少なくとも得な交換ではあるだろう。
本譜は△5八歩、▲同金を入れて△1九龍だが、そこで力強く▲5六金と急所の駒に働きかける。
角をどかしてしまえば▲6五歩から角を使う目途が立つ。
一連の手順は強い人には一目なのだろう。地味な手順だがこういう細かい手を指せるようになりたいものである。
ただ△5八歩の効果で△5四香の切り返しがあるため形勢自体は難解。図から△5四香、▲5五金、△同香、▲6七金、△7八金、▲6五歩、△5九香成、▲6四歩という激しい順に進んだ。
以下は後手に攻め急ぎがあって先手勝ち。この将棋の寄せもシンプルで鮮やかだった。