Dimensional Sniper

将棋 / 研究 / 青嶋未来

△2五桂ポンへの対応 01

△3三角戦法に対して9筋を詰める形。王位戦の広瀬-深浦が思い出される戦型ですね。

持久戦になるとやはり居飛車の模様が良い場合が多いので、後手から手早く動かれる展開が多いように思います。その一例が△2五桂ポン。

先手は取る場合も取らない場合もありますが、その対応を考えてみます。

 

まずはかなり早いタイミングでの仕掛けから。今日もやねうらelmoとの検討です。

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余談ですが、やねうらelmoはこの戦型で対局させると▲5八金~▲3八銀~▲4七銀の順で駒組みをすることが多いです。2筋逆襲の順を若干警戒しているのかもしれませんね。

 

さて、上図での△2五桂には、▲同飛と取って△2四歩に▲8五飛と手薄な玉頭に狙いを付けるのが基本。

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そもそも▲3九銀型なので流石に相当やりにくい桂ポンでしょうか。

以下△2五歩なら▲5六角、△7四角、▲同角、△同歩、▲7五歩が本筋。

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一歩持てば先手は2筋の受けが利くようになります。以下△同歩、▲同飛、△7三歩なら▲7四歩と合わせて3四の歩まで取りに行く。評価値は+500ほど。

△7四角のところ△8二銀も自然ですが、▲3四角と一歩取る手がやはり大きい。以下△2六歩なら▲3五飛が好手(△3三歩ならそこで▲2五飛)です。

 

△2五歩のところで△8二銀と先に受けてきたら、▲3六歩、△2五歩、▲3五歩と進めます。

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これも歩をぶつけて一歩取りに行くという発想は同じ。

以下△2六歩なら、▲3四歩、△2七歩成、▲6六角、△4四角、▲同角、△同歩、▲3五飛が一例。

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形勢は+700~+900。以下△1八となら▲6五角、△5四角、▲同角、△同歩、▲1五角と強引に3筋を突破するのが分かりやすいようです。

 

最初に戻って、△3二金と△2一飛を入れずに仕掛けるのも、本譜と同じ要領で流石に成立していません。後手はもう少しタイミングを見計らう必要があります。