対角交換四間・備忘録
これも実戦で非常によく出現するのでメモ。
居飛車が銀冠穴熊を目指した序盤に対して、四間飛車側が△3二銀型で待機して角交換を狙うのはよくある手法。
上図から進めて下図。手損している関係で完全に同一局面ではないですが、増田-石田直(新人王戦)が一例。
先手は右金も囲いにくっつけて堅めに行く順も一局。
上の棋譜の感想戦に出ている順ですが、ここで先手から動く順として▲1五歩、△同歩、▲4五桂という筋があります。
△同飛に▲3二角と打ち込むのが狙い。以下△1二角、▲2四歩、△同歩、▲2二歩、△同銀。▲1四角成、△2三銀、▲1五馬、△1四歩、▲3七馬は浮かむ瀬の示した順で、形勢は+200~+300ぐらい。
▲2二歩では▲1三歩もあり、以下△同桂、▲1四角成、△2一角、▲2三馬、△4三飛…の進行。
△1二角は打ちたくない角ですが、▲2一角成~▲1一馬に優る攻めがないので仕方ないところ。
さて、この仕掛けは私がよく実戦で採用していた順ですが、最初の図の浮かむ瀬の最善手は実は▲4五桂ではなく、▲2七飛や▲9八玉、▲6八銀などと手待ちをする手です。すぐに仕掛けるのではなく、少し待って後手陣の乱れを誘い、そのタイミングで▲4五桂と仕掛けられればより良くできるという思想らしい。確かに、△6二金や△9二玉の形で仕掛けられれば明快に得です。
角交換のタイミングや金の動きによっては、最初の図がそもそも後手番ということもよくありますが…。