Dimensional Sniper

将棋 / 研究 / 青嶋未来

対石田流 △7二飛型

今月号の将棋世界に乗っていた形。二手目△8四歩と突く方が多いので全く不得手な戦型だが、ちょっと感動したのでメモしておく。

今季竜王戦の久保-丸山戦より。

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後手が最速で△7二飛型の仕掛けを目指した。端の突き合いさえ入らないというのが面白い。突くとしたら先手からだが、後手は突き合いに応じずに同じように進める。

その場合図で▲5六銀が入っていない形になり、先手の条件が悪そう。

本譜は上図から▲7七角、△7四歩、▲同歩、△同銀、▲6五歩、△7五歩、▲6六飛、△6五歩と進んで下図。

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▲7七角で▲7九金などとする手もありそうだが、▲7七角と指せば必然の進行だろう。

以下▲同銀、△6六角、▲同角、△6五銀、▲1一角成、△2二銀、▲1二馬、△5四銀が落ち着いた手。

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形勢に大きな差はないだろうが、後手が手厚い感じがする。技巧の評価値は-250ぐらい。

以下▲5九金左、△7六歩、▲8三角、△7五飛、▲5六角成、△5五銀、▲7八馬、△7三桂。

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手厚く本筋の指し回しが丸山らしい。

以下完璧な指し回しで後手快勝。